$17.99Adiosは買い?
Adiosは、こんな人なら買い
- 一晩でクリアできる、物語中心の短いゲームが欲しい人に
- ゲームシステムよりも、会話と登場人物を重視する人に
- 静かで悲しい物語を、じっくり噛みしめて味わいたい人に
- アクションがなくても緊張感を感じられる人に
スクリーンショット
たった一日を、ていねいに
ゲームの舞台はカンザスの農場での、ある十月の一日だけ。そしてその一日を、本当に大切なものとして扱います。ヤギの乳を搾り、馬に餌をやり、車を修理し、最後の食事を作る。何ひとつ急ぐことはなく、それこそが狙いです。何も変わっていないかのように日常は続いていくのに、農場にいる誰もが、今夜何が待っているのかをはっきり知っている。
雑用は単純ですが、ここではちゃんと意味を持っています。糞を運んだり朝食を作ったりするのが、それが最後だと分かれば、単なる穴埋めには感じなくなるのです。マップは小さな農場で、隅々まで自由に歩き回らせるのではなく、決まった道筋の上で物語を進めます。1990年代の設定と様式化されたビジュアルが、飾り気のない、暮らしの匂いのする雰囲気を作り、物語にぴったり合っています。
すべてを決める会話
Adiosの核心は会話です。旧友が殺し屋とその助手を連れてやってきますが、銃撃戦の代わりに用意されているのは、一日がかりの説得です。相手は「間違った選択をしている」と説き、こちらは自分の意志を貫く。返答を選びながら、その応じ方によって一日の行方と、その代償が変わっていきます。
一番心を打つのは、口にできない言葉のほうかもしれません。グレーアウトした選択肢には、農場主がどうしても言えない言葉が表示されます。そして終盤の息子への電話は、この作品の白眉です。一日中平静を保ってきた男が、ついに崩れていく様子を、演技力の高い声だけが支えている。エンディングは一つだけで、そのことは最初から正直に告げられます。緊張の源は「彼が死ぬかどうか」ではなく、その前に何が語られるかなのです。
反撃はできる?
反撃はできる?
できません。農場にはショットガンがありますが、ゲームはそれが答えになることを決して許しません。これは脱出劇ではなく、一つの決断についての物語で、口で言い負かすにも、走って逃げるにも、撃ち合うにも、どんなルートも開かれていません。それがもどかしく感じるなら、この作品は向いていないでしょう。誠実だと感じるなら、きっと合います。
怖い? グロテスク?
暗く、多少の不穏さはありますが、ホラーゲームでもグロテスクな作品でもありません。重い題材はほとんど画面の外に置かれていて、恐怖は状況そのものと、迫る時限から生まれます。暴力的な描写の詳細に頼ってはいません。
マルチエンディングはある?
いいえ、エンディングは一つだけです。選択によって会話の内容や一日の質感は変わりますが、農場主の決断は最初のシーンから固定されています。このゲームが描くのは、彼が脱出できるかどうかではなく、その決断をどう貫くかなのです。

















