$12.99If Found...は買い?
If Found...は、こんな人なら買い
- 一晩で終わる物語重視の短編が好き
- 家族や友達、初恋を描いたトランスジェンダーのカミングアウトものに惹かれる
- 手描きアートと切なく柔らかいサントラが好き
- 難しさより物語のためのシンプルな操作を楽しめる
スクリーンショット
日記を消して読む
ほとんど消しゴム片手に進めます。カシオの手描きの日記を1ページずつ消していくんです。手書きの文字もスケッチも、部屋ごとごっそり消すと、下から次の思い出が出てきます。ゆっくり静かな作業ですが、言いたいことは説明なしに伝わってきます。手放すって、痛い、と。
終盤になるとこの動きが逆転して、消す代わりに書き込む番になります。これからどうしたいか小さな選択を書き入れて、カシオのこれからの姿を描きます。サントラはずっと柔らかくて家庭的です。2時間ほどで終わるので、一気に遊ぶのがおすすめです。
余白のある12月
物語は1か月だけです。クリスマスのためアイルランド西部に帰ってきたカシオが、母や兄とぶつかり、荒れ果てた洋館で仲間外れ同士と身を寄せ合います。かわいい犬や忍び込みもあります。章の合間には宇宙船の船長カシオペアのパートが挟まり、木星を背に地球を飲み込もうとするブラックホールを止めようとします。
登場人物は少なくて覚えやすく、戸惑いと幸せの間を行ったり来たりしながら、せかさず進みます。解くパズルも失敗もありません。ゆったり座って、消して、読んで、楽しいこともつらいことも積み重ねながら大みそかを待ちましょう。
プレイ前に知っておきたいこと
どれくらいの長さ? どんな操作で進むの?
2〜3時間ほどの一本道です。日記の場面を消しゴムでこすって進み、手が疲れたら一括消去も使えます。終盤にちょっとした書き込みや作画の選択があります。失敗も分岐も、素早い反応も必要ありません。
実際どんな話なの?
ダブリンで修士課程を終えたばかりのカシオが、1993年12月にアキル島へ帰り、家族との衝突や新しい友情、ぎこちない片思いやキスを記録します。同時に、世界を滅ぼそうとするブラックホールをカシオペアが止めようとします。二つの筋は12月31日、廃墟の洋館で交わります。
重い展開はある?
ところどころあります。家庭での拒絶や、受け入れがたい時代と場所でのトランスジェンダーとしてのアイデンティティ、消えてしまいたい気持ちも描かれますが、温かさや笑い、友情もあります。結末は希望寄りで、登場人物のその後がわかる短いエピローグ付きです。
宇宙パートにエスエフ好きじゃないと楽しめない?
大丈夫です。ブラックホールや船長は本格エスエフというより、カシオの心境を映す鏡として読めます。メタファーとして受け取れば、日記の物語の邪魔にはなりません。






















